小田の郷愁風景

岡山県矢掛町<宿場町> 地図 
町並度 4 非俗化度 10  −山陽道の間宿−






 
山陽道の間宿として位置づけられていた小田の町並。一部に見応えある家並が残っています。




 
 

 江戸時代の山陽道は現在の井原市付近から小田川流域の平野に沿って東進している。備中では西から高屋、七日市、矢掛と宿駅が連なっていたが、それらの宿場間にも簡易的な宿泊施設を持つ間宿というのが設けられていた。七日市と矢掛の間にあったこの小田もその一つである。
 堀越宿と呼ばれていたこの間宿は、東の矢掛宿、西のこれも間宿であった今市宿との継送り駅であり、年貢も免除されていた。寛永年間(18世紀中期)、家数は78軒を数え、近隣の数ヶ村を助郷(大名行列等の大通行時に確保される人員を配置した村)とし、本陣も置かれていたという。間宿とはいいながら結構本格的な宿駅だったことがわかる。
 山陽道の道筋は国道で潰されなかったため、往時の宿駅の風情はある程度保たれている。一本道に沿って家々が密集している姿は街道集落らしい。但し、宿場当時そのものの家々はほとんどないといってよく、伝統的な家屋もほとんどが明治以降に建てられたものと思われる。
 しかし集落の中央部では、妻入り屋根が街路に堂々と張り出している姿などが眼にでき、町並としての規模や連続性は今一つでも、歴史をはらんだ町並であるということは歩いてみると疑う余地はない。



宿駅の西の入口付近
訪問日:2005.01.30 TOP 町並INDEX