柳井津の郷愁風景

山口県柳井市<商業都市・港町> 地図
 
町並度 8 非俗化度 2  −商港の佇まいが今でも濃厚に残る−





柳井津の町並


佐川家の醤油蔵★


小路より★
  

 柳井市は山口県の南東部、瀬戸内海に面し、県内でも特に気候の温暖な地域である。ここは重要伝統的建造物群保存地区となっている金屋町・古市町の町並が当地の観光の核をなしている。
 この町は港町として発祥し、江戸期になると岩国藩領の商業都市として発展していった。今では漆喰塗りで統一されたそれらの商家の保存状態が良いため、白壁の町並として脚光を浴びている。
 そんな商家の一つで、町並の東端にある小田家を紹介する。当家は1688年小田善四郎がこの柳井津(柳井の古名)で商業を起こしたのが始まりで、油商を営んでいた。江戸末期には総年寄となり帯刀も許可されていたという。内部には江戸時代の商売道具等が配置され、屋敷構えもほとんど江戸期のまま残っている。また、妻入の家並の多く残る中心部には、国重文の国森家、佐川家の醤油蔵(内部で醤油醸造の様子がそのまま伺えるよう、桶などをそのままの姿で残してある)等、歴史を語る重要な旧家が多く残っている。
観光客相手の土産物屋も多くあるが風致を乱すほどではなく、団体客を避けて散策すれば郷愁を感じることのできる町並である。

 


★印:2002年4月撮影(他:2007年9月撮影)
訪問日:2002.04.14
(2007.09.14再取材)
TOP 町並INDEX