高家の郷愁風景

山梨県八代町<農村集落> 地図 <笛吹市>
町並度 4 非俗化度 10 −長屋門風の門や土蔵が風情を織成す農村集落−



 高家地区は甲府盆地の南東部、緩やかな斜面に展開する長閑な農村といった雰囲気の集落である。












 
 
 こうかと読み、古くは小岡とも記されていたらしい。地名は地形を表す場合が少なくないが、確かに盆地の南縁、緩やかに起伏する小高いところにあり、地名の相応しさを感じる。
 農村集落として長い歴史を刻んできたのだろう、細やかに入組んだ路地の両側に豊かさを感じさせる農家集落が展開していた。
 江戸時代は幕府領で、養蚕や煙草の栽培が盛んに行われ農村としての地位を確立された。実際現在でも集落内を歩くと、長屋門風の厳かな門を持つ敷地の広い豪農宅を複数眼にする。立派な土蔵も多く残り、それらが緩やかな曲線を描く道筋に展開するさまはなかなか見応えのある集落風景だ。
 私は目にしなかったが、この集落の近くにリニア新幹線が通る計画となっているようで橋脚工事なども既に開始しているようだ。新幹線の通過する風景は、この集落とは余りに均衡が保てないものだ。


訪問日:2015.05.03 TOP 町並INDEX