寄島の郷愁風景

岡山県寄島町<港町> 地図 <浅口市>
 町並度 4 非俗化度 9  −藩港として、また北前船も寄港し栄えた町−
 

 

 寄島(大浦地区)の町並 


 寄島町は県南西部の瀬戸内海沿岸の町である。幹線国道沿いから外れた位置にあり静かな佇まいだが、中心街は海岸に沿って1.5kmも展開しており、その意外な大きさに驚く。
 現在町役場等のある中心地より南側は広大な埋立て地となっている。この平地の南端には三郎島があり、若干の集落が見られるが、この一帯こそ、江戸時代関西より北国を目指した西回り航路、北前船と呼ばれた商船の碇泊した所である。鴨方藩の外港として栄えた当地は大いに繁栄を見たが、明治になって山陽鉄道の開通後物資の輸送が陸上に移ってから、貿易港、商港としての町の機能は次第に衰微していった。
 町並の西部に大浦神社がある。この神社では毎年秋に競馬神事という奇祭が行われている。この辺りより東端の東安倉という地域にかけては、港町として栄えたであろう時代の名残が町並のあちこちに見受けられる。伝統的な建物が連続した個所こそ少ないものの、つし二階という中二階形式や、二階正面の虫籠窓や張り瓦、妻部にかけてのなまこ壁装飾、本瓦葺等が特色として挙げられ、この地域の古い建物の特色が良く残されている。また、入母屋造りの豪華な外観で、防犯用にくぐり戸付の大戸口を備えた旧家も数軒見られた。
 西安倉、東安倉地区は山が海に迫っており、町並は斜面にも展開している。ほとんどが車の入れない細い路地であり、その界隈にも港町の体臭の濃い家並が集中していた。
 町内には散策する訪問客も全くなく、観光客相手の案内板もまったくなく完全に素のままの町並である。貴重な古い町並の一つといえよう。
 
 

 

寄島(大浦地区)の町並  寄島(西安倉地区)の町並  
 

 

寄島(東安倉地区)の町並  
   

               

2025.09再訪問時撮影      旧ページ     

訪問日:2002.06.16
2025.09.15再訪問
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