吉野川の郷愁風景

愛媛県小田町【街道集落】 地図 <内子町>
 町並度 4 非俗化度 10 −山間の小さな交通要衝地−



 吉野川地区は大洲を経て長浜に流れ下る肱川の支流・小田川に沿い、そのまた支流が合流する地点にある。
吉野川の町並




 

 吉野川というと四国一の河川を想起させるが、むろんその流域ではない。地内に桜原という字があり、吉野の桜に因み命名されたのだという。
 地図を見ても内陸のかなり奥地に位置している。人家の稀な地域であるが、河川の合流点であると同時に2本の国道の合流点でもあり、古くからささやかながら交通上の拠点となっていたのだろう。
 村人の生業は米・麦・大豆・蕎麦・煙草など農村の姿そのものであった。また楮なども栽培され和紙の生産も行われていたようである。牛馬を商う者もあったというが、その実態は在郷町ではなく零細な山村といったほうが的を得ている。
 歩いて5分ともかからない小さな集落である。家々は古寂びているが、無住となっている家は少ないように見えた。間口が広く、一階部分が開放的となっている造りが目立ち、多くは商いや宿泊業をしていたと見られる。現在でも八十八箇所の遍路道にあたっているため、印象よりは人や車の往来も少なくないのかもしれない。




訪問日:2013.06.08 TOP 町並INDEX