由比の街道風景

静岡県由比町<宿場町> 地図 
 
町並度 5 非俗化度 7 −東海道江戸より16番目の宿場町−





 由比は特産・桜海老の町としてよく知られる。富士山を望む海岸などで干されるのも独特の風景だ。
 古くは東海道が通過し、宿駅が設けられた。本陣などが置かれていたのは本町地区で、西町・東町を合せた区域を由比宿と称していたが、実際宿場として位置づけられていた範囲は広く、入山・北田・町屋原など11ヶ村が加宿として指定され宿駅業務を担っていた。ここで紹介するのは由比宿の西側、JR由比駅にかけての北田地区から今宿地区にかけての町並で、こちらの方が由比宿よりも古い町並らしさを保っている。
 平入りの町家建築が目立つが、出桁調の造りで軒がせり出したような外観を持つものが多い。静岡県でも西部の遠州地区では余り目立たないが、東部になるとこうした関東地方と共通する要素が目立つようだ。
 この付近は商店も目立ち、伝統的な原型を保つ家屋の純度は低い。しかしながら何百年もの昔から街道集落を連ねていたらしい空気は十分に感じることが出来る。
 かつてはこのあたり塩の生産が盛んであったらしく、貞享元(1684)年に記されたある紀行文には「右は塩焼浜なり」とあり、魚介類とともに甲州方面にも売られていたのだという。
由比北田の町並


由比町屋原の町並




由比町屋原の町並




由比今宿の町並

訪問日:2009.01.03 TOP 町並INDEX