湯村温泉の郷愁風景

兵庫県温泉町<温泉町> 地図  <新温泉町>
 
町並度 4 非俗化度 3 −国内最高温の源泉を持つ歴史深い温泉地−




湯村温泉街 右はその中心である源泉の荒湯


 湯村温泉は但馬地区では城崎と並んで著名な温泉地であり多くの訪問客がある。浜坂に流れ込む岸田川の中流、川沿いに温泉旅館街が形成されており、その中心は泉温98度という高温の源泉・荒湯であり、傍らではその熱湯を利用して観光客がゆで卵を作る風景が見られる。
 この付近の地名は「湯」といい、単刀直入でいかにも豊富な温泉に恵まれているという感じである。
 平安期に開湯したという非常に古い温泉場であるが、その高温の湯がかえって災いして温泉浴よりも野菜などの茹物に利用されることが多く、江戸中期までは公衆浴場1棟が設置されているに過ぎなかったという。
 山陰道が地内を通過することから宿場町的な役割もあったとされ、南方の村岡で盛んだった牛市に向う客たちの宿泊増により次第に温泉旅館が建ち並ぶようになったという。
 岸田川沿いの小盆地に展開する温泉町は右岸側を中心に大型のビル旅館も目立つ。美人の湯と称され、団体客の来訪も多い温泉地であるが、荒湯から上流側は比較的素朴さが残されていた。木造の建物が目立ち、旅館もあるが多くは土産物屋や普通の住宅である。古いものではないが木造三階建てが連なる一角もあり、温泉場としての賑わいが大きかったことを物語っているようであった。
 古い町の辺りは外来客の姿は少なく、地元の人が中心の比較的静かな雰囲気であるが、荒湯付近より突如として温泉観光地といった風情となる。川沿いでは足湯を楽しむ多くの客の姿があった。
 
 

 






温泉街の南側に残る町並

訪問日:2012.04.30 TOP 町並INDEX