善通寺の郷愁風景

香川県善通寺市【門前町】 地図 
 
町並度 4 非俗化度 7  −善通寺の門前町 軍都としての一面も−





善通寺門前の町並 左は名物硬パンを売る老舗
 

 善通寺市は多度津から土讃本線で2駅、高松自動車道も通り交通は至って便利なところである。
 市名の通り善通寺とともに歩んできた町で、空海による建立、空海の居住地跡との一説もある同寺は非常に古い歴史を持つ。寺域からは奈良期の瓦も発見されていることから、少なくとも当時まで遡るものであることは間違いない。平安期には一時京都東寺の末寺にも位置づけられていた。
 善通寺門前町には中世から市場が立っていたとされ、近世になって参詣者が増加したことにより門前町として本格的に発展した。それには善通寺自らの参拝客のみならず金毘羅参りの参詣客の多くが通過する位置にあった事も大きかった。海を渡ってきた客は多度津港か丸亀港で上陸するのが常で、いずれの街道も善通寺付近を通っていた。街道沿いには芸人も集まるなど賑わった。
 明治29年に第11師団司令部が善通寺村に設置され、広大な敷地内に関連施設が建ちならんだ。そのため第二次大戦までは門前町より軍都としての性格が濃く、軍関係の人々も町の賑わいに貢献した。現在も煉瓦造りの倉庫群越しに善通寺の塔が見えるという独特の風景が展開している。
 門前町部分の古い町並は多くは更新され連続した箇所は少ないものの、善通寺の参拝と併せて倉庫群界隈を歩くと、この町の強い個性が伝わってくる。
 
 








旧陸軍師団司令部の倉庫群

訪問日:2017.08.14 TOP 町並INDEX