赤穂の郷愁風景

兵庫県赤穂市<城下町> 地図
 
町並度 5 非俗化度 6 −義士の史跡群の陰にひそかに息づく城下の町並−









加里屋地区の町並 虫籠窓を従えた町家建築がある程度まとまって見られる


 赤穂市は城下町であり、港町でもある。播磨西部の中心として栄えた当地は、赤穂義士の町として名高く、町の中心部の赤穂城址には団体客も多く詰掛けるところである。
 古くから要害の地で、中世には宇喜多氏・池田氏が城を領有していた。その後江戸期に入り、常陸笠間から移ってきた浅野氏の時代に城下町の基盤が築かれた。同時に城そのものも本格的に体裁が整えられている。
 町の産業として製塩業が古くからあった。干満差が大きく、遠浅の海岸を持つことで製塩には最適の条件で、製造される塩は藩の財政を支え、また近隣の龍野で醤油醸造が発達するにあたり大きく寄与した。
 赤穂線の播州赤穂駅と城跡の間は近代的に整備された街路が貫き、観光客を意識したような色が伺えるが、そこから西側に少し入ったあたりには城下町を思わせる古い町並が残っている。
 この地区は加里屋といい、かつて宇喜多氏が築城した刈屋城と呼ばれる城を思わせる地名である。
 赤穂義士にゆかりのある花岳寺付近を中心として町家建築が見られる。連続性はそれほど高くないものの、間口の広い大商家の構えが多い。それらの二階部分には様々な形の虫籠窓が見られ、古い町並らしい彩を添えていた。
 





   
      
訪問日:2002.02.03
2014.04.06再取材
TOP 町並INDEX


旧ページ