秩父神社門前の郷愁風景

埼玉県秩父市【門前町・商業町】 地図  
 
町並度 5 非俗化度 6 −秩父総鎮守の門前−



秩父神社の本殿
 

 秩父の市街中心、秩父鉄道の駅からも至近にある秩父神社は秩父地方の総鎮守として崇められてきた。
秩父の郷愁風景で紹介した市街地界隈と近接しているが、門前街の町並の独特性があるため別枠で掲載する。
 例大祭は秩父夜祭と通称され、江戸期には期間中絹大市と呼ばれる市が開かれ、近隣の農民が織物をはじめ各国の商人も多く入り込み大層な賑わいを示した。神社の鳥居前から南に一本道が通じている。ほぼ直線の道で、古くから門前街として位置づけられていたものと考えられる。
 門前街は秩父往還沿いの商家建築を中心とした町並とはまた異なる風情を感じる。広い敷地を持つ邸宅は厳かな門を街路に面して構え、板塀を巡らしている。石畳調の舗装はやや不自然に感じるものの、鳥居を望んで格式を感じさせる。
 歩を進めていくと洋風の外観を持つ医院なども眼に入ってくる。この界隈で最も印象的といえるのがこれら数々の洋風建築といえよう。中でも四辻に洋風の建物が向き合う風景は、なかなか他では見られぬものといえよう。それらは老舗商店、食堂、煙草店などであり、それぞれが個性の強い建物である。
 登録有形文化財となっている建物も多くあり、地元も意識され守られている様子が伺えた。
 

 








洋風建築が向き合う一角も見られる





訪問日:2018.06.09 TOP 町並INDEX