重要文化財の建物(6)

−旧二階堂家住宅−

(鹿児島県肝属町)


 大隅半島のほぼ中央、太平洋側の肝属町に重要文化財に指定された邸宅があることを探訪中に偶然知った。本来はここの高山の町並を取材する目的であった。
 2つの茅葺屋根が特徴の母屋は美しい中庭を従え、ひとつの庭園といった空間を醸し出している。
 19世紀前半の文化年代の建立といわれており、鹿児島独特の郷士の邸宅であった。寄棟屋根の一部がつながり、建物としては一棟としてつながった構造という特徴的なもので、かつて鹿児島県南部でよく見られた建築様式だったという。その原型をよく留めているとして、昭和50年に国重要文化財に指定された。
 


 
 
 2つの寄棟の茅葺屋根が特徴的な二階堂家住宅




  
見事な庭園を持つ 訪ねたのは冬場だが春から秋にかけての表情の変化は見応えあるだろう










建屋は連続しており、屋根も一部分がつながった構造となっている

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