主計町茶屋街の郷愁風景

金沢市主計町<花町> 地図
 
町並度 6 非俗化度 3  −路地に展開する珠玉の茶屋街−  


浅野川左岸に連なる主計町茶屋街の風景


 金沢市は戦時に空襲の被害を受けていない。市内の随所に城下町時代の古い姿を残し訪れる人が絶えない観光都市である。
 金沢城を中心に渦巻状に城下町が形成され、南北に北国街道が通過し、浅野川と犀川が流れている。ここで紹介するのは城下町の北東部、浅野川を挟んで展開する茶屋街である。
 東茶屋街から川を挟んだ反対側、浅野川大橋のたもとから町は始まる。川に面するところは和風旅館が建ちならぶ風情ある風景である。そして、横路地を入ると小規模ながらも密度の濃い珠玉の料亭街が展開する。小路や路地が支配する点で、東茶屋街とは対蹠的な展開であり、また違った魅力がある。
 金沢城下はぼう大な人口を抱えていたために、大きな遊郭が3箇所存在し、先の東茶屋街、そして西茶屋街とならび三大遊郭と呼ばれていた。現在も茶屋として営業されている店舗もあって芸妓が存在し、その構成は京都祇園と同様である。



 
 主計町の名は、加賀藩士富田(とだ)主計(かずえ)の邸宅があったことに由来しており、現在も踏襲されている。一時付近は隣接する尾張町の一部に編入されてしまったが、住民の要望により近年になって旧町名が復活している。誠によい話である。平成20年には重要伝統的建造物群保存地区に指定されたこともあり、遊郭であった頃の佇まいも今後も伝えていくことだろう。
 
 



全て2011.01再取材時撮影
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※文章の一部は「東茶屋街の郷愁風景」と共通です。

訪問日:2003.11.03
(2011.01.01再取材)
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