南伊豆の海鼠壁・鏝絵(1)


海鼠壁で占められた壁面  下田市

伊豆半島南部には、海鼠(なまこ)壁を持つ建物が多く見られる。それは壁に貼り瓦を施し、目地部に漆喰を盛り上げて施工するものであり、土蔵などを中心に全国各地で見ることが出来る。当地では一般の住宅などでも使われるなど特に「用途」が広いことや、また壁全体に回されるなど独特だ。かつて大きな津波に襲われ、その対策として多用されたといわれるこの海鼠壁。しかし防災対策が現在では独特の町の風景を演出している。また、松崎町では精緻極まる鏝絵も各所に見られる。
全部は紹介しきれないので、ここでは二回に分け、伊豆半島南部の海鼠壁と鏝絵を紹介したい。今回は鏝絵は登場しないが、海鼠壁も鏝を使った漆喰細工であり、鏝絵の親戚ともいえる。



石蔵と海鼠壁の組合せもよく見られる 
下田市
並び蔵の前を結ぶ回廊  松崎町 漁村の狭い路地風景を占めるのも海鼠壁  西伊豆町


田園の中の農家も海鼠壁 松崎町



煙出しにも海鼠壁  松崎町 普通の生活感のある民家にも海鼠壁が多用されている 下田市





視界に入る建物全てが海鼠壁  松崎町
屋根と海鼠壁の取合いが美しい 松崎町

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