街の風景

−祇園祭−

             

祇園祭は京都を代表する、さらには我国を代表する伝統的な祭と言ってもよい。この祭を知らない人は居ないだろう。
祇園・八坂神社の祭礼であるが、賑わいの中心はそれより西側、四条通を中心とした一帯である。余りに有名な祭であるため、余分な解説無しで情景をお伝えしたい。山鉾巡行の前夜・宵山の風景である。
今回私はこの祭の取材は主目的でなく、余った時間を使って駆足で歩き、写して廻ったのであるが、雰囲気の一端を感じていただければ嬉しい。






「長刀鉾」=四条通烏丸東入ル長刀鉾町=
代表的な鉾で山鉾巡行の折には毎年先陣を切る「特権」が与えられている。




大変な雑踏である。四条通が歩行者天国になると報道陣が鉾の前に陣取った。夕方の天気予報の映像に間に合わせようとしているらしい。





四条通を南に入った小路名すらない路地。四条通は完全に近代都市の様相だが、一歩小路に入っただけでこのような古い町並が展開するのは京都以外では考えられないことである。そして、祇園祭の雑踏も、この路地にまでは及んでいなかった。






「郭巨山」=四条通西洞院東入ル郭巨山町=
小型のものは山と呼ばれる。威厳風格を感じさせる鉾に比べると親近感を感じさせる。
鉾・山の名がそのまま町名になっている例が多いのを初めて知った。右の町家では厄除けの粽(ちまき)を売っていた。






「放下鉾」=新町通四条上ル小結棚町=
この鉾は南北の小路・新町通に設置される。ここは古い町家も多く、鉾と家並の組合せはいかにも京都らしい雰囲気を感じさせる。

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