街の風景

−紀州鉄道の走る町御坊−

             

 紀勢本線の御坊駅は市街地からは遠く、その間を零細な私鉄が結んでいる。市街地の南端まで3km弱、自転車並の速度ながら地元の人々にとっては駅までの貴重な足であり、その微妙な距離が存続させている要因なのかもしれない。
 旧式極まりない車両で運行されているのもこの鉄道の魅力である。昭和のローカル私鉄の匂いが濃厚に漂っており、わざわざ遠方から乗車や撮影の目的に来るファンも多い。
 私も御坊の古い町並を訪ねるのに紀州鉄道を利用したので、その時撮影した写真を紹介したい。
 




御坊駅の駅舎側に短く切り込んだ0番線から発着する紀州鉄道の気動車 背も低くいかにもローカル鉄道の雰囲気だ




この車両は昭和の高度成長期の先駆けの頃製造されしばらく九州で働いていたという 全盛期の頃とは乗客の数はもちろん 服装も髪型も そして走る線路も変った



わずか2.8km先の終点・西御坊駅で折返しの時間を待つ




対面販売される切符も硬券(券売機で発券される薄い乗車券類でなくボール紙を使用したもの)であり また鈍いエンジン音を響かせ走るその姿も昭和を感じさせる






終点付近の駅で降りて東に少し歩くとこのような古い町並が連なっている 紀州鉄道でアクセスすることでその印象度はひときわ味わい深いものになるだろう


2009年3月28・29日撮影

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