街の風景

−昭和型陳列店−

             

 近年店舗の集約化が急激に進み、地方の商店街はその機能を失っているものも少なくない。主な原因は都市郊外の幹線道路沿いに建設された複合型の商業施設だ。自家用車で利用するには実に便利なつくりになっているものの、全国どこでも似たような構造となっており全く個性が感じられない。
 一方で根強く頑張っている地場の小売店もある。中でも所狭しと商品を満載し、店の前にもあふれんばかりの品物を並べて客を迎え入れる荒物屋などの陳列型店舗は、その姿に昭和を濃厚に感じることができる。これらの店は複合店舗の他にホームセンターの台頭もあり、商店街でも特に姿を見ることが稀になってきているものである。
 




岡山県倉敷市玉島の商店街 これぞ荒物屋という見事なまでの風景だ (2010.08) 埼玉県越谷市 旧街道沿いに伝統的構えの金物屋があった (2007.05)




鳥取県米子市の商店街はこのような金物店・ボタン店などの陳列型店舗が多く残っている。扱う商品も細分化されたままで昭和レトロ商店街としてはかなり高いレベルが保たれている (2009.09)



兵庫県洲本市 銅板に覆われた荒物屋には複数の琺瑯看板も残っていた (2010.09)




香川県坂出市の商店街も衣料品店などに昭和的風情を感じられる  (2010.07)







栃木県栃木市では二軒の荒物屋が存在感を示す 隣の洋風建築とともに古い町並も形成している (2004.10)

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