松江の郷愁風景(2)

松江市東本町他<城下町> 地図
 
町並度 5 非俗化度 4
  -松江城下の町人町に由来する町並-




 山陰を代表する城下町松江は、宍道湖の東端に開ける美しい町である。関ヶ原の戦後、出雲に封ぜられた堀尾氏は、広瀬(現在の能義郡広瀬町・安来市の南)の富田城を捨てて新たにこの松江に城を構え、本拠地とした。現在でも天守閣を初めとして内堀が完全な形で残り、特にその北側の塩見縄手と呼ばれる一角には武家屋敷も形をとどめており、城下町時代の面影を保っている。
東茶町の町並  




東本町三丁目の町並 中原町の町並



東本町一丁目の町並



東本町三丁目の町並



 市内は戦争による空襲を受けていないため、鍵型に屈曲した路地など往時の町割が比較的良く保持されているが、建物の方は近代化が進んでこの塩見縄手の他には面影を伝える連続した家並は、多くは残っていない。その中で宍道湖につながる京橋川沿いは水運を得て商人地・町人地としての古い歴史がある地区で、土蔵や町家形式の古い建物が形をとどめている。ここではこの地区の風景を紹介する。
 宍道湖(大橋川)と京橋川とに挟まれた一帯は町人地の面影を留め、東部の東本町にかけて部分的ながら古い町並が残っている。東本町界隈に大柄な平入りの建物が残っているのは、明治以降に建替えられたものであろうとはいえ古くから各種商家が林立していたことを想起させる。
 一方で京橋川沿いは親水域として遊覧船の発着場の設置、遊歩道の整備などが行われている。茶町から末次本町にかけては商店街となっており、人々集う空間と町人町の風景の調和を保とうと努力されている姿もうかがえた。




京橋川沿いの風景

後半2枚:2004年1月撮影 その他:2010年5月撮影
文章の一部は松江の郷愁風景(1)と共通です。
訪問日:2004.01.28
(2010.05.04再取材)
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