生活に息づく六郷の湧水群

御台所清水 代表的な湧水であり生活に溶け込んだ風景である 


 秋田県中部の内陸盆地に開ける六郷の町。その地名の由来は古くからの郷村名によるものと思いがちだが「清い水溜りのあるところ」という語意のアイヌ語が源といわれている。東北北部になると徐々にアイヌ語地名が出てくるのも趣深いが、それらは多くの場合、地形の特色を示すものである。
 その通りここは無数の湧水に恵まれ、古くから酒造りが発達し、また町が発展してきた。市街地のすぐ裏手に尽きることなく湧出する湧水群は人々の生活にも密接な関連がある。名水百選にも指定された水どころである。
 町並探訪の折に触れることの出来た風景であり、部分的なものに過ぎないが、それでもこの町が豊かな水の上に成立っていることを感じることが出来た。



御台所清水の湧水量は小川を形成するほど豊かだ



湧水はやがて集まり川の流れとなる 子供を水遊びさせる風景



藤清水 木立間から滾々と湧く



藤清水では西瓜が冷やされていた



久米清水 道路の下に突如として湧く



久米清水で冷やされていたのはビールであった




ニテコ清水と名づけられたこの湧水はサイダーなどの飲料水に加工される 建物内に引き入れられているのがわかる



御台所清水はこのように水汲み場だけでなく親水空間でもある 
(2012.08.14取材)

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