中津川の郷愁風景

岐阜県中津川市<宿場町> 地図
 町並度 6 非俗化度 7  −美濃路東部 木曾への入口の宿場町−






 東濃地区随一の町・中津川は長野県に接する位置にあり、中山道時代は木曽路の入口にあたるところであった。現在は名古屋との結びつきが強い地域であるが、商業・文化面から木曽路との接点はこの中津川が役割を果たしてきた。
 急峻な木曽路を辿ってきた旅人は、久々の平野部に出て、さぞほっと一息ついたことであろう。

 うだつの連なる風景も見られる旧中津川宿の町並





村庄屋を務めた肥田家住宅






 市街中心部は中央本線の駅南側に開け、その中に旧中山道はほぼ当時のままの道筋を残している。駅に近い新町界隈は当時からの商業地であり、現在も商店街に踏襲され街道集落らしい面影は淡くなっている。一方で四ツ目川を渡った本町・横町・下町地区は宿場の中心であった。宿場町時代は本陣・脇本陣各1、旅籠29を有しており、3・8の日には市が立てられ賑わっていたという。塩、味噌、酒、呉服などが取引された場でもあるこの地区は、商業都市としての中津川が培われていった場であった。
 西進するとまずひときわ目立つ両妻部に本うだつを上げた旧家は肥田家住宅で、享保3(1718)年から明治初年まで代々庄屋をつとめた由緒ある家である。中津川代官所のもとで、年貢の収納、農民の統率、治安維持などを司った村内の最大権力者であった。
 この肥田家の近くに本陣及び脇本陣が置かれていたが、現在は駐車場等になっている。
 この辺りで何度か直角に折れ曲る桝形があり、特に江戸方から数えて2つ目の桝形付近には本うだつを構えた商家も目立ち、古い町並らしい風景が展開してる。その中に銘酒・恵那山を醸造するはざま酒造があり、酒蔵も無料で見学できる。
 





訪問日:2003.05.04
2017.07.17再取材
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