毒ガスの島・大久野島

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2017.11撮影


 竹原沖にある小さな島・大久野島は戦時中兵器に使う毒ガスの製造が行われており、機密保持のため地図からも抹消されていたという。
 現在はうさぎの島として知られ、子供連れや外国人客をはじめ多くの来島者がある。それらは毒ガスの効果を確かめるために飼育されていたものといわれ、これも間接的には戦争遺産のひとつといえる。

             









中部砲台跡。日露戦争前の明治中期に建造された。島のほぼ頂上に位置し煉瓦造りの威容を誇る。屋根の上に雑木が見え、地山を掘削して築造したことがわかる。上空からは見えづらいよう工夫されていた。これは兵舎の遺構。








北部砲台跡。こちらも半地下構造で造られている。砲台の台座跡も残り生々しい。
付近からは瀬戸内の海と島々が対照的な美しさを見せる。島内にはもう1箇所、南部砲台跡も残る。




発電所跡。廃墟探訪趣味の方々にも有名な建物だ。発電した電気は毒ガスの製造に使われた。少し調べると以前は自由に建物内にも入れたように記されたものもあるが、現在は危険なため立入が禁止されている。実際外壁だけで持っているような感じの構造で、崩壊しても不思議ではない状態だ。何とか補強・保存の方法はないものだろうか。




毒ガス製造設備の主要な部分は陶器が多く用いられており、その一部が展示されている。戦時の鉄供出のためかと思ったが違うようだ。 毒ガス貯蔵庫跡。イペリットという皮膚のただれるガスが厳重に保管されていたという。




海岸近くの平地を中心に島の何処でも見かけるうさぎ。この島を訪れる人の多くはこちらが目的だ。

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