街の風景

 −昭和型アーケード商店街2−
(北九州市旦過市場)




 小倉駅から南に500mほど、中心街の一角に旦過市場というアーケード商店街がある。現在裏手は水路のようになっているが、もともとはこの川を遡ってくる船がこのあたりで荷を揚げ、商売を始めたことがはじまりとされる。大正の頃のことで、戦時中一時途絶えながらも闇市として復活し、昭和30年代頃からは店舗経営の本格的な商店街として発達した。
 現在も北九州の台所と呼ばれるほど賑わい、レトロ感のある商店街としても知られ遠方から訪ねる客も少なくない。
 ただ、裏手の川(神嶽川)にせり出した店舗の形が河川管理上の問題となり、また密集した木造店舗が連なっており、火災や浸水などの被害も度々起こっている。そのため河川の改修とともに商店街も改築される計画があり、この風景もいつまで保たれるものか保証はない。
 訪ねた時は日曜日で、営業していない店舗もあったが、それでも多くの客が行き交い昭和的な商店街風景を味わうことが出来た。


参照:旦過市場公式サイト




旦過商店街の入口。入口の構えからもレトロ感を感じさせる。








商店街内は高く明るいアーケードのあるメインの1本道と、それから東側に枝分かれするひときわ昔ながら感の高いエリアに分かれる。前者では比較的新しい装いの店舗も見られる。郷土料理である鯖や鰯のぬか味噌炊きを売る店もある。




枝分かれする古いままのエリア。日曜日のため休業日の店が多く少々残念。しかしそれだけに一層場末感が漂う。





一角では地元の方々が卓上遊戯を楽しむ姿など、庶民的な雰囲気が濃厚な商店街である。裏手はすぐに神嶽川に面しており、商店街自体も水際にせり出して建てられているのがわかる。
(2016.10.30撮影)

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