近代洋風建築のある風景(16)



今回は旧岩崎邸を中心に、東京都内に残るジョサイア・コンドル設計による洋風建築とその復元について取上げる 


旧岩崎邸
  
旧岩崎久弥邸洋館の外観 ジャコビアン様式と呼ばれるスタイルが色濃く見られる内部 力強さを感じる


上野不忍池近く 本郷台地にさしかかるあたりに旧岩崎邸庭園との案内板が見える
これは明治29(1896)年に三菱財閥の創始者・岩崎久弥邸として建築されたものだ
設計者は英国の建築家ジョサイア・コンドル氏で、現存する氏の作品としては最古のものとされる
元々が越後・高田藩の屋敷跡ということもあり敷地は広く 個人邸というイメージは全くなく明治期の役所建築とも思わせるような大変な建物である
豪邸というだけでは言葉が足らない豪華さ・厳かさがある
建築の知識に乏しい私が客観的に描写した写真をランダムに載せ拙い紹介とする しかも時間の都合で閉館が迫る時間帯でゆっくり見学することができなかった しかしそれでも圧倒されるような迫力を感じることができた





裏庭に面しては列柱に支えられたベランダが設けられる
木製の階段が地下室(非公開)に通じている
この撞球場(ビリヤード)もコンドルの設計物として保存される 洋館に接し広い座敷も持つ和館もある



三菱一号館

一方で、東京の表玄関・丸の内にもジョサイア・コンドルによる洋風建築の息吹が吹き返そうとしている
氏が政府の招聘により来日後初の本格的建築物件であった三菱一号館の復元だ 
この建物は丸の内における近代風のオフィスビルの第一号でもあり 当時としては極めて斬新なものであった
昭和43年に残念ながら取壊されてしまい 以後付近には高層ビルが林立してしまったが このたび(株)三菱地所設計の設計監理のもと入念な復元工事が行われ 2009年4月末竣工した
今後美術館などとして一般公開される予定であり 丸の内の歴史を伝える証人としての役割が期待される






路地裏トップに戻る