近代洋風建築のある風景(19)

北九州の洋風建築 
  
■若松区
●石炭会館(M38)
筑豊炭田の石炭積出港であったことを証明する数少ない建築物だ





●路地裏にひっそりと残る洋風建築「若松地区労組協議会」との表示があった。現在では使われていない模様。 ●上野海運(T2)
当時の三菱合資会社により建設された由緒ある建物。現在は海運会社の事務所となっているが、敷地内には三菱マークを掲げた煉瓦蔵も残っていた。




旧古河鉱業若松ビル(T8)
若松地区で最も威容を誇る洋風建築。石炭業に進出した古河グループがオフィスビルとしてここに勇躍事務所を構えた。
保存状態は良く、内部は当時の近代的オフィスビルの形態が良く保たれている。現在ではさまざまに活用され、訪問当日はピアノの発表会場として利用されていた。



■門司区(門司港地区)




旧大阪商船(T6)
門司港駅近くに残る。非常に保存状態が良い。かつては北側は海に面していたという。
旧門司三井倶楽部(T10)
三井物産の社交倶楽部として建てられた洋風建築。移築されたものではあるが門司港の一風景として息づいてきた。
国際友好記念図書館
これは厳密には掲載すべきものではないのかもしれないが、門司港レトロ地区の風致の一端を担うものとして紹介する。
中国大連市との友好都市締結15周年を記念して1993年に北九州市により復元建設された大連市にある建造物の複製である。
同じ歴史ある港町の建物として、違和感なく景観に溶け込んでいる。




旧門司税関(M45)
解体修理されているが、ほぼ当時の姿そのままである。門司港地区を代表する建物の一つ。


旧九州鉄道本社(M22)
幹線道路沿いにその威容を誇る大変重厚な洋風建築である。国鉄に移管するまでの九州の鉄道の黎明期を物語る貴重な建物だ。








門司港駅(T3)
かつての門司港は港湾都市、そして九州の玄関として現在と比較にならない重要性があった。この門司港駅にそのすべてが凝縮されている。
洋風の厳かな駅舎、随所に贅が感じられるコンコース内の造り。本州との連絡船の乗船口が現在でも原形を保っているのが良い(右上)。そして線路が途切れた先に駅舎を構える頭端式ホームが、始発駅・終着駅としての格式を高めている。

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